みんなの救急医療




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(最終更新日 2008.6.20)


日本全国の病院が、医師不足という大きい病気をかかえています。
1ヶ月や2ヶ月で治すことはできません。
この病気を治す間に、「ごくごく軽症の患者がものすごく気軽に夜間の2次救急の外来を受診する」 という別の病気が、病院にとどめをさそうとしています。
まず、医師不足という病気を根本から治療することが必要です。
その治療の間にも、病院の息の根を止めないようにしなければなりません。
瀕死の病院の命をつなぐのは、国や行政や医療機関だけではムリです。

全国の病院で、救急が廃止されています。
平日昼間の外来をやめた病院もあります。 (下の記事以外にもいろんな地域の病院があります。)

古座川病院が救急廃止 医師不足で業務縮小 紀伊民報 (魚拓)

内科・外科の救急告示を取り下げへ 市立泉佐野病院 朝日新聞 (魚拓)

蒲郡市民病院:「不急の外来自粛を」 院長、住民に応援や協力訴え /愛知  毎日新聞 (魚拓)

医師不足について、さまざまな意見があって、議論されています。

それで、実際、いつ問題が解決されるんでしょうか。
現実に、いつ新しいお医者さんが病院に来てくれるんでしょうか。
今困っている患者は、それまでどうすればいいんでしょうか。

誰もが、一日も早く根本的に問題が解決されることを望んでいます。
でも現実に、1ヶ月や2ヶ月で解決出来ません。
その間にも、医師が病院を辞めていきます。
医師が一人しかいない科は、その医師が倒れたら終わりです。

勤務医が病院を辞める理由のひとつは、忙しすぎることです。
夜間や休日に、病院の救急外来を利用する人が増えているそうです。

夜間、休日の病院は、平日昼間の診察時間と違って、お医者さん、看護師さん他スタッフの数が少ないです。
重症の救急患者と入院患者の急変に対応するためにいるので、 軽症の患者がたくさん押しよせると、救急車に乗っている重症患者を受け入れられないことがあります。 (「たらい回し」)

また、患者が多いとお医者さんが眠る時間がなくなって、一睡もせず30時間以上連続で勤務することになります。


患者が多い
  ↓
医師が眠る時間がなくなる
  ↓
過労死や医療ミスを恐れた医師が病院をやめる
  ↓
残った医師がもっと忙しくなる
  ↓
残った医師も病院をやめる
  ↓
病院が救急をやめる or 医師がいない科がなくなる or 病院がつぶれる…


そうは言っても、私達はお医者さんじゃないので、受診してみなければ重症なのか、軽症なのか分からないことが多いです。
それに、自分以外の人の症状をみて、軽症なのか、今すぐ救急外来に連れて行くべきなのか判断するのは簡単なことではありません。
小さい子供やお年寄り、持病がある方は急変しやすいこともあります。

そんな場合は、遠慮せず受診してください。
診断の結果軽症だったとしても、全然かまいません。
そういう患者のために救急があるのだから、そんな患者が受診できないなら、救急の意味がありません。
誰かひとりが無理に受診を控えても、問題は解決しません。

でも中には、下のような患者がいます。
「あしたディズニーランド行くから今夜治したい。薬ちょうだい。」
「たいしたことないし、心配もしてないけど来た。」
「薬の飲み方が分からないから、教えてほしい。」
「朝から具合は悪かったけど、何となく様子をみてたら、夜にもっと悪くなったから来た。」

そんなケースは、昼間に受診出来るはずです。
昼も夜も病院の体制が同じなら、昼間と同じように受診しても何の問題のありませんが、 現実は違います。
みんなが昼間と同じ感覚で受診したら、病院がパンクします。

そんな人も、悪気があってそうしたわけではなく、何も知らなかったから、ただ病院があいてるから 来たというだけのことだと思います。
救急の現状を知っていたら昼間に受診したのに、という人もいると思います。
管理人も、つい最近知りました。
知らなかったら、「明日遊びに行くから」という理由で受診したかも知れません。

誰かひとりが無理して受診を控えても、何にもなりません。
何も知らないで、ものすごく気軽に受診する患者をなくすために、 全員にこの問題を知らせて、全員が安全に、ほんの少しずつ気をつけるしかないと思います。

誰だって、いつ交通事故にあって、救急車に乗ることになるか分かりません。
救急医療はみんなものです。
みんなで大事に利用しなければ、壊れてしまって、使えなくなります。

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救急を利用するかどうかの判断は、患者本人やそばにいる人の責任で行うしかありません。

必要な時に必要な治療を受けられるように、少しずつおだやかに安全に、出来ることから すぐに始めるべきだと思います。

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