色んなご意見 と管理人の意見




1.  病気は時間を選ばないし、多くの人が平日昼間に働いているんだから、 夜遅い時間でも昼間と同じように受診できるようにするべきじゃないか。

そうなったら良いと思います。 特に小さい子供は、軽症でも夜中に受診できる場所、診てくれる医師が必要です。 でも今、現実には、医師不足と言われる状態です。 現実はこんな状態なのに、「あした遊びに行くから」という理由で夜間に受診する患者さんがいます。 今いる医師が辞めていったら、医師を増やすどころか減る一方です。 医師を増やす努力をするのと同時に、今がんばっている医師を倒れさせないように、辞めさせないようにしなければなりません。


2.  それぞれの病院や診療所が、休みの曜日をばらばらにすれば いいんじゃないか。

そうなってほしいと思います。どうしても休めない仕事をしている人がたくさんいます。 休むことは辞めることに等しく、辞めたら次の勤め先を見つけるのは絶望的という人もいます。


3.  「救急車の有料化」や「軽症と診断された救急患者からの時間外料金の徴収」が始まったら、 自然と受診する人は減るんじゃないか。本当に重症なら、いくら払っても受診するだろう。

明日から全国で実施されるわけじゃないので、そうなるまでに、 何人のお医者さんが救急医をやめたり、病院をやめるか分かりません。 新しいお医者さんに来てもらうのは大変なことです。
それに、ちょっと想像してみてもいいと思います。 時間外料金が徴収されることになって、受診を控えるのは、どんな患者でしょうか。 「呼びかけを知っていたのに今まで無視して、ちょっとしたことでもガンガン受診したけど、 料金が徴収されるんなら惜しいからやめとこう」、という自分勝手な患者ばかりでしょうか。 そうじゃないと思います。


4.  マナーの悪い人が、救急車をタクシー代わりにしたりする。自分はそんなことしないから関係ない。

「自分はそんなことしないから関係ない」と言ってしまうのは簡単ですが、自分達の世代の責任だと 考えて、まず救急医療の現状を知らない人に、安全におだやかに呼びかけるなど、出来ることから少しずつ始めてもいいと思います。


5.  病院に張り紙をしたりして、昔から呼びかけているけど少しも減らない。 誰も張り紙なんか見ない。

どんなふうに呼びかけていたんでしょうか。私はつい最近ネットで他の人に教えてもらうまで知りませんでした。 なぜ、病院の張り紙が全く読まれていないと分かるんでしょうか。 なぜ、誰にも読まれない張り紙が貼ってあるんでしょうか。どうすれば読んでもらえるんでしょうか。


6.  ああいう人は、呼びかけても聞かない。呼びかけてもムダ。

「呼びかけてもムダだ」と書く労力を惜しまないのは、どうしてですか。


7.  誰も好きで病気になるわけじゃない。 患者が多くて医師が足りないなら、どうして先に医師を増やすことを考えないのか。 どうして先に患者を減らすことを考えるのか。

もちろん、ぜひとも医師を増やすべきだと思います。 でも、医師がたくさん増えるまで、時間がかかります。 その間に、気軽に受診する軽症患者が増えて、今いる医師が倒れたり辞めたりすれば、その分医師は減ります。 医師不足解消どころじゃなくなります。
それに、医療と福祉を充実させたいなら、このような問題は避けて通れないと思います。 「困ったさん」はどこにでもいるんだとあきらめてしまわないで、 少し上手な呼びかけ方を考えてみるべきじゃないでしょうか。 自分で自分の首を絞めることになるんだと、分かってもらうべきじゃないでしょうか。 それに、この問題を上手く乗り越えられそうになったら、医療や福祉を充実させることに 賛成する人が増えると思います。


8.  医師不足の問題は、他にもっと大きい原因があるし、 救急外来を利用する患者を減らそうとすることは、医師不足の問題にはたいして効果がない。

そうだと思います。 医師不足は、他にもっと大きい原因があると思います。 一日も早く、医師不足の問題を根本的に解決するべきだと思います。
では実際に、いつ解決できるでしょうか。 現実に、いつ新しい医師が来てくれるでしょうか。 医師不足の病院で、救急外来を気軽に利用する軽症患者がどんどん増えると、病院をつぶしかねません。 医師不足を解消するためではありません。これ以上医師をやめさせないためです。 問題の根本的な原因と解決を考えている間も、今いる医師を辞めさせないよう努力しなければならないと思います。


9.  病院の体制、地域の医療体制をもっと良くすればいいんじゃないか。

病院、地域によっては少しずつ変わっています。 色んな取り組みがされています。


10.  政策に問題があるんじゃないか。

よく勉強して、よく議論するべきだと思います。そして、次の選挙には必ず投票に行きましょう。 投票率が上がるほど、政治家は生活に直接関わる問題を軽視できなくなると思います。 そうする間も、医師が辞めて行かないように努力しなければなりません。


11.  救急外来の利用の仕方よりも、もっと重要な問題があるんじゃないか。

医療には様々な問題があります。 それぞれの問題が複雑で難しく、色々と意見が分かれています。 よく議論するべきです。 同時に、意見が分かれていないこと、誰でも同意できること、すぐに出来ることを、ほったらかしにしてはいけないと思います。 救急を上手に利用すること、 救急を上手に利用することを呼びかけることは、多くの人が同意し、協力してくれるはずです。 意見が分かれている問題について議論しなければならないからと言って、議論の余地がない問題をほったらかしにしてもいいということにはなりません。 それに、夜間の救急外来をあまりにも気軽に利用する人が増えることは、大きな問題です。 実際に、救急外来の適正利用を必死で呼びかけている病院、自治体があります。


12.  今さら何を言っているのか。

同じ時期に問題意識を持てなくてすみません。でも、今夜も一睡も出来ないお医者さんがいます。 「今さら」と言って何もしないなら、これから過労で倒れるかも知れない医師や看護師を私が見捨てたことになると思います。 それから、これから救急が廃止される地域の患者を見捨てたことになると思います。


13.  税金のムダ使いをやめて、もっと医療に使うべきじゃないか。

次の選挙で投票に行きましょう。


14.  「病院がつぶれる」というけれど、つぶれるわけないだろう。

つぶれる病院もあると思います。 残った病院はどうなっていくでしょうか。
まず、「軽症と診断された救急患者からの時間外料金の徴収」が色んな地域で始まると思います。 その時、次の3通りの患者がいると思います。

@これまでは、ものすごーく気軽にわざわざ夜間の救急を受診していたけど、別料金がかかるならやめとこう。
Aこれまでは気兼ねして、「もし軽症だったら申し訳ない」と思って、 かなり悪くなるまで受診できなかったけど、別料金を払うんなら逆に安心して受診できる。
B本当は受診すべき状態だけど、別料金を払う余裕がないから、控えるしかない。

@Aはいいですが、Bのような患者もいます。 これまでのように、経済的に余裕がある人も、ない人も、同じ料金で同じように受診できる、ということがなくなります。 経済的に豊かかどうかで、受診できる人とできない人に分かれていきます。

医師、看護師がなかなか来てくれない自治体の病院は、高いお給料を設定しなければならなくなります。 その地域の財政が苦しくなるので、それも限界があります。 お金がある地域に住んでいるかかどうかで、十分に受診できる人とできない人に分かれていきます。

今は、日本全体で必要な科に医師が少ないそうです。 医師を増やすには、高いお給料を設定しなければならなくなります。 そうなると、日本全体で、お医者さんにかかるお金が増えていきます。 そのお金をどこから持ってくるか。 保険料が高くなるかもしれません。 そうなると、保険料を払えなくなる人が今より増えます。 (すでに今、保険料を払えずに治療を受けないまま亡くなった人がいます。) 経済的に余裕がない人が、受診できなくなります。

今までの日本の医療は、お金持ちでも、そうでない人も、同じ料金で同じように受診できるというところが 世界の医療と比べて優れていたそうです。 このままでは、お金があるかないかで、受診できる患者と出来ない患者に分かれていきます。 これまでの日本の医療は終わりです。


15.  医者がわがままになったんじゃないか。もっと赤ひげのような医師を育てるべきだ。

私達は、それぞれの職業で、赤ひげのように働いているでしょうか?

時代の流れで、医師が働く環境は、昔と全然違うそうです。 「ごくごく軽症の患者が、ものすごく気軽に夜間の2次救急の外来を受診する」ことが増えたのも、そのひとつです。 医師を尊敬する雰囲気はなくなり、暴力をふるう患者も増え、 「金を払ってるんだから」と言われる。 他の職業もそうなんだから、それが当たり前だろうと言うかも知れませんが、それなら 医師も言うでしょう。「治療して欲しかったら、金を払え。」

他の職業も同じことです。 例えば、良いサービスを受けたいなら、高いお金を払って高級レストランに行きます。 お金を払えないなら、そのレストランを利用することはできません。 「ここで食事をしたかったら、金を払え。」

全ての患者が「金を払ってるんだから」という考えを持つと、医療もレストランと同じようになって行きます。

今までの日本の医療は、お金持ちでも、そうでない人も、同じ料金で同じように受診できるというところが 世界の医療と比べて優れていたそうです。 でも、「金を払ってるんだから」式の考えを持つ人が増えると、 お金のない人は自炊、お金のある人は高級レストラン、というふうになってしまいます。

そもそも、レストランのようになっても自分はかまわない、という医師だっているはずです。 ごみごみした病院で酔っ払いの相手なんかしないで、 きれいな所でお金持ちだけを相手にしたい、という医師だっているはずです。 そうではなくて、これまでの医療が壊れていくことを心配する医師もいます。

飲食店にも、お金もうけだけじゃなくてプライドを持ってやっているところがあると思います。 医師も同じです。 繰り返し罵られるうちに、プライドがなくなることがあるかも知れません。

医師は、普通の人より能力があります。 金儲けだけを考えるなら、別に医師にならなくても他の仕事をすればいいです。 医師になる前は、人の役に立つというやりがいを期待して、密かに理想を持っていても、「金を払ってるんだから」式の 患者ばかりでは、実際やる気がなくなることもあります。看護師も同じです。 そんな雰囲気がじわじわ進んで行って、そもそも、医師になろうという若者がもっと減るかも知れません。 楽でもうかるだけの仕事なら、自然に数が増えるはずです。 今のままでは、医師不足が進みます。 医師、看護師を呼ぶためのお給料がどんどん高くなって行きます。 そして、お金がある患者とない患者の差がどんどん開いて行きます。 これからは、お金の問題だけじゃなく、 地域の真面目な医師や看護師を大事にするという雰囲気がないと、 今いる人も、いつか逃げ出して行くし、新しく来てくれる人もいつまで経っても現れません。


16.  なぜ医師や看護師の過労死を心配してあげないといけないのか。 過労死するほど忙しい職業は他にもあるが、医師や看護師がそれに対して何かしたことがあるのか。

救急で働く医師、看護師が過労死したり、耐えられなくなって辞めていったりしたら、その地域の患者が困るからです。


17. よく分かったけれど、このような呼びかけは、私達じゃなくて国や行政がすることだ。

そうかも知れません。でも実際には、あまり呼びかけていません。 誰かが呼びかけるのを待っている間に、何も知らないで受診する人がいます。 何も知らないで夜間の2次救急を気軽に受診してしまうことは、自分で自分の首を絞めるようなものです。


18.  医師達が、権力や利益を守ることしか考えて来なかったから悪い。

そんな医師もいます。 そして、そうでない医師もいます。


19.  私が知っている医師は、患者と信頼関係を作る努力をしなかった。私は、医師や病院が全く信用できない。 だから、病院や医師を守ろうという気に全くならない。

私は、医師のためじゃなくて、患者のために医療を守るべきだと言っています。 病院や医師を守ろうと言うのは、なにも、医師や病院の権利だけを守ろうというのではありません。 まず病院の現実をよく知って、患者が自分の権利をしっかり守りながらも、 医療のために出来ることをしようと言っています。
おっしゃることはよく分かります。医師も人によって全然違います。 でも、今すぐに全ての医師を、私達が望むような医師に教育することはできません。 他の職業の人々と同じで、医師という職業の人々の中にも、色々な人がいると思います。 本当に、私達が望むような医師になってもらうには、どうすればいいでしょうか。 私達が医師を育てる気持ちがなければ、私達が望むような医師になってもらえないと思います。


20.  がんばってください。

私は、私や私の家族が必要な時に救急を利用できるように努力しています。 あなたも、あなたと家族のために、がんばってください。


21.  このような呼びかけは、受診を過剰に抑制させることになるんじゃないか。

もし、どこか強すぎる抑制につながりそうな部分があれば、具体的に教えて頂けたらとてもうれしいです。 メール



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